INTERVIEW 04社員インタビュー 04
製品開発には全体を
俯瞰する目が必要
製品開発には
全体を俯瞰する目が必要
シニアコンサルタント
三輪 有史
PROFILE
基礎粒子系科学修士課程修了後、富士フイルムソフトウエアに入社し、業務系システムの開発に携わる。その後オージス総研に入社。組込みシステム開発へのスキル転換。自動車OEMメーカーでのコンサルティングなどを通じて、モデリングの楽しさ、もの作りの楽しさに開眼する。2008年エクスモーションに入社(創業メンバー)。
製品開発全体を
俯瞰するための
コンサルタント
現在私は自動車の制御開発の支援を行っています。制御開発とは、簡単に言ってしまうと自動車の走る・止まる・曲がるを実現しているソフトウェアの開発です。最近の自動車のソフトウェア開発は、従来のいわゆるプログラミングだけでなく、机上シミュレーションなど、早い段階で品質を確保するためのさまざまな手法やツールが導入されています。ところが自動車メーカーのエンジニアは、自動車の専門家であってソフトウェアの専門家ではないため、開発現場の課題に対して適切な手法やツールを選択して使いこなせているとは言えません。また、多くのメーカーは組織が縦割りで、各エンジニアは自分のセクションの仕事の範囲でしか改善や最適化ができていない。つまり、製品全体を俯瞰して全体最適をできる人がどこにもいないのが実状です。そこで私たちのようなコンサルタントが必要になるのです。
シニアコンサルタントに
求められる4つのスキル
私の役職はシニアコンサルタントです。この役職には、少なくても4つのスキルが必要です。まず、新しいソリューションを構築するスキルです。顕在化している課題にとどまらず、お客様が今まで気づいていなかった潜在的な課題を発見し、その解決方法を考え、実践することができなければなりません。次はエンジニアリングに対する広く深い知識です。これは製品開発の全体像を俯瞰して把握するには当然持ち合わせていなければなりません。そして伝える力です。いくら優れたソリューションを考え出してもそれをお客様に理解してもらえなければ意味がありません。つまり、コミュニケーション能力も非常に重要です。そして最後は、コーディネート力です。お客様の課題とそれに対するゴールはさまざまです。けっして自分の意見を押し付けることなく、お客様の望む成果を残さなければなりません。
日本のエンジニアリングの
進化ために
以上のようなスキルはコンサルタントだけが身につけていればいいというわけではありません。メーカー側のエンジニアも身につけないと、いつまでもコンサルタント頼みの製品開発となってしまうからです。
そこで、お客様の開発現場での支援だけでなく、自動車業界のセミナーやエンジニアリングのイベントなどでの講演も行っています。正直資料づくりは大変ですが、製品開発において全体を俯瞰することの重要性を感じ取ってほしいと願っています。それだけで日本のエンジニアリングは飛躍的に進化するからです。